「もしも」に備える社会保険

人生100年時代といわれていますが、「いつ」「どのような」リスクに遭遇するのかは予測することは不可能です。しかし、事前に備えておけばいざという時に安心できます。当サイトでは、もしもの時に備えるための制度である「社会保険」の重要性や加入条件について詳しくお伝えします。

転職先が加入している社会保険をチェック

社会保険の種類と内容

職場の社会保険の種類は?

企業や団体が加入している社会保険には、主に2つの種類があります。
ひとつは、全国健康保険協会が運営する「協会管掌健康保険」(協会けんぽ)、もうひとつは、健康保険組合が運営する「組合管掌健康保険」(組合健保)です。
いずれも、一人ひとりが協力しあい健康と暮らしを守るための仕組みづくりが目的ですが、それぞれ運営主や被保険者に違いがあります。
協会けんぽの前身は、社会保険庁が運営していた政府管掌健康保険で、現在は厚生労働省所管の特別の法律により設立される法人という位置づけです。国内最大の保険者で、主に中小企業が加入しており、そこで働く従業員やその家族が被保険者となります。
一方、組合健保は、常時700名以上の従業員を雇用している企業が自社で設立した、独自の健康保険組合のことです。全国の1387(令和3年4月1日現在)の健康保険組合で構成されており、主な加入者は大企業やそのグループ会社、子会社など。被保険者は、加入企業の従業員やその家族です。
それぞれの加入社数を比べると、協会けんぽが約200万社、組合健保が約10万社と差ありますが、後者は企業の規模が大きいため、加入者数でみるとほぼ変わりません。

どちらの社会保険がお得?

協会けんぽと組合健保の大きな違いはその運営者ですが、実は保険料や給付内容、福利厚生などにも違いがあります。
まず、保険料は、標準月額報酬(給与額をまとめた数字)に両者が定めた料率を掛けて算出しますが、それぞれ料率が異なります。
協会けんぽの保険料率は、都道府県の各支部ごとに設定され、9.63%~10.61%ほど。一方、組合健保の保険料率は、3%~13%の範囲で組合ごとに設定して良いことになっており、おおよそ7%~9%に設定されています。そのため、組合健保の保険料の方が低い傾向にあるようです。
また、保険給付においては、協会けんぽの場合、法律に定められた給付が適用されます。組合健保では、法律で定められた給付に加え、独自の付加給付も実施されるため、より手厚い給付が受けられるケースが多いようです。福利厚生も組合健保の方がオリジナルに富んでおり、保養所や各種施設の優待利用、冠婚葬祭サービスなどさまざまサポートが受けられます。
このように見ていくと、組合健保の方がお得のように感じる人も多いでしょう。
しかし、近年は健保組合への加入社数が減少傾向にあります。背景には、健保組合が集めた保険料を後期高齢者医療制度などに拠出させる仕組みができたことがあり、組合の約7割が赤字になっているとの報告もあるようです。もしかすると今後は、安い保険料の維持や付加給付が難しくなるかもしれないとの見解も聞かれます。

転職時に確認しよう

協会けんぽも組合健保も、被保険者の健康維持や余暇充実のために、各種手厚いサポート体制を整えています。その中で、自分や家族のライフスタイルに合う社会保険が側にあると、安心して仕事ができるでしょう。体力が必要な介護職においては、なおさら大切なことです。
そこで、転職を考える際は、協会けんぽと組合健保それぞれの特徴や異なる点を知ったうえで、転職先を選択してはいかがでしょうか。
求人募集を出している企業や団体が社会保険に加入しているか否かは、日本年金機構の日本年金機構の適用事業所検索システムで調べられます。
また、組合健保の場合、会員である健康保険組合一覧名簿の閲覧も可能です。もちろん、転職活動の際にエージェントに尋ねたり、面接時に先方へ尋ねてみたりするのもよいでしょう。
社会保険の整った職場で仕事と余暇を両立させ、心身ともに健やかなライフスタイルを目指しましょう。

今の職場は大丈夫?