「もしも」に備える社会保険

人生100年時代といわれていますが、「いつ」「どのような」リスクに遭遇するのかは予測することは不可能です。しかし、事前に備えておけばいざという時に安心できます。当サイトでは、もしもの時に備えるための制度である「社会保険」の重要性や加入条件について詳しくお伝えします。

社会保険の対象外の会社もある

どんなケースが対象外となるのか解説

従業員が5人未満の個人事業所

日本の社会保険、特に厚生年金保険と健康保険の加入義務は、原則として法人事業所や特定の業種に属する従業員5人以上の個人事業所に適用されます。しかし、現行の法制度において、社会保険の加入が義務付けられないケースとして、従業員5人未満の個人事業所が挙げられます。これらの事業所は、一部の例外を除き、法改正によって加入対象が段階的に拡大している流れがある中でも現在まで強制適用事業所とはされていません。
近年、短時間労働者への適用拡大など社会保険の加入対象は広がる傾向にあり、今後も拡大が予定されていますが、従業員5人未満の個人事業所は特定の業種でない限り引き続き任意適用事業所として扱われます。そのため、これらの事業所では、事業主の判断により任意で加入手続きを行わない限り、従業員は社会保険の対象外となる状況が現状の規定で維持されているのです。これは、小規模事業所の負担を考慮した措置であるといえます。

一部の業種は任意適用

社会保険の適用に関して、一般的に従業員が5人以上の個人事業所は強制適用となりますが、一部の業種については例外が設けられています。具体的には、農業や林業、水産業といった第一次産業、そして旅館や理容業、美容業などの接客娯楽業、さらには寺社や教会などの宗務業を営む個人事業主の場合、たとえ従業員が5人以上になったとしても健康保険や厚生年金保険への加入は任意適用となります。
任意適用とは、事業主が社会保険に加入するかどうかを任意で選択できる制度のことです。つまり、これらの特定業種に該当する個人事業所は、従業員数に関わらず、社会保険の加入が義務付けられてはおらず、事業主の判断に委ねられている点に留意が必要です。

法人登記されていれば強制適用

法人の代表者一名のみで会社を経営している場合、会社が法人として登記されている以上、原則として社会保険の強制適用事業所となります。これは、たとえ社員が社長一人のみであったとしても、法人である以上、健康保険および厚生年金保険への加入義務が発生することを意味します。個人事業主であれば、社会保険の加入は任意(従業員の人数による例外あり)ですが、法人格を持つことで、社長自身が「常時使用される者」として扱われ、強制的に被保険者となるのです。したがって、代表者一人の会社であっても、健康保険料と厚生年金保険料を会社と個人で折半して納付し、社会保険の手続きを行う必要があります。
この義務は、会社の規模や従業員の人数に関わらず、法人登記をした時点で発生する重要な法的要件ですので、必ず遵守しなければなりません。

今の職場は大丈夫?